石井熱錬 ~COLUMN~

Vol.2 SUS浸炭について

内部の靱性を保持しつつ鉄鋼材料の表面硬度を上げるには、真空浸炭や高濃度浸炭といった熱処理が有効です。しかし、オーステナイト系ステンレスの浸炭処理はこれまで技術的ハードルが高く、対応できる金属加工会社は限られていました。そんななかで、いち早くこの課題に取り組んできたのが「株式会社石井熱錬」です。

 

国内でも3~4台という希少かつ高度な真空浸炭設備を導入することで、SUS304といった代表的なステンレス鋼の浸炭処理を可能にしました。なお、SUS304を浸炭処理した場合、表面硬度をHV800にまで上げることができ、ステンレス鋼の応用領域は格段に広がります。

 

長年の経験で培った金属加工技術、熱処理技術と、最先端の真空浸炭設備の活用、さらにISO9001 認定を取得した高度な品質管理体制で、高難度のSUS浸炭処理に取り組む石井熱錬。しかも「誠心、誠意」を理念に掲げる当社なら、お客様のご要望とご期待に100%お応えできます。鋼材の熱処理、浸炭処理のことなら、石井熱錬にご相談ください。

 

 

SUS304などの難浸炭材も当社におまかせください

難浸炭材であるSUS304などでも熱処理ができるとあって、真空浸炭設備の有用性は以前から高く評価されていました。しかし、その一方で煤の発生が多い、メインテナンス性に劣る、導入コスト・処理コストともに高くつくなどの点から国内ではなかなか普及が進まなかったのもまた事実です。従来の真空浸炭設備が持つこうしたデメリットを解消したのが、当社の導入したIHI製「VCB-01」。このVCBシリーズは、アセチレンを浸炭ガスとして用いる革新的な炉構造が特徴で、煤を発生しないだけでなく、浸炭ムラのない高品質な熱処理を可能にしています。

 

この最先端の真空浸炭設備を導入した当社なら、SUS鋼など難浸炭材でも高度な熱処理加工が行えます。材料の持つ靱性、耐食性を生かしながら、表面硬度を上げることができれば、ステンレスの応用領域は広がり、製品開発のポテンシャルも拡大することでしょう。SUSの真空浸炭処理はぜひ、石井熱錬におまかせください。

 

PICK UP! ステンレス鋼はなぜ難浸炭材と呼ばれるのか

SUS鋼のなかでも、オーステナイト系ステンレスは生産量の60%を超えるもっともポピュラーなステンレス。優れた耐食性や靱性が特色ですが、独特の結晶構造により、加工がしやすく、室温でもプレス成形や冷感鍛造などが行え、溶接にも適しているなど、多彩な加工方法が選択できる点もメリットです。代表的なオーステナイト系ステンレスに18%のCr(クロム)、8%のNi(ニッケル)を含んだSUS304がありますが、Crの含有量が高いために高温でのオーステナイト領域、γ域が狭くなるため浸炭させようとしても表面への焼入れが進みません。ステンレス鋼が難浸炭材と呼ばれる理由はまさにここにあります。なお、クロム含有率の低いマルテンサイト系ステンレスでは問題なく焼入れが行えますが、もともと炭素を多く含んでいるので浸炭そのものが無意味です。

お問い合わせ

TOP